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2007年5月29日 (火)

なぜ、男があまり女が不足するのか。

 中国では「男あまり女不足」が深刻な問題だそうだ。これは、別に比喩でもなんでもなく、本当に男のほうが多くて、女のほうが少ないという意味である。じっさい、いまも生まれてくる子供の男女比は1対1から相当にずれているという。だいたい生まれてくる子供の54%くらいが男だそうだ。中国では、両親が男の子を求める傾向が強く、さらに一人っ子政策があることがが反映された結果であることは間違いないだろうが、なぜそうなるのだろうか。と
 そこでちょっと、コンドームと「男の子がほしい」という両親の意思だけで、これほどまでに男女比が変化するのかどうか、調べてみた。

 男の子と女の子が生まれてくる確率は、それぞれの出産をとれば、ほぼ2分の1だ(本当はわずかに男子が多いが、いくらなんでも54%ということはない。自然の状態では51.2%程度が男子らしい)。親は男の子がほしい。しかし、産児制限により、生むことのできる子供の数は厳しく制限されている。1人だけというのがもっとも望ましいが、許されても2人までという制限があると考えよう。となると、両親は以下のようなルールで子作りをすることになる。

  ルール1  出産は最大2人まで
  ルール2  男の子が生まれたら、次の子供は生まない。

 すべての両親が、こういうルールの下で子供を生む場合、男児の割合はどのくらいになるだろうか。
 2人の子供を生むとき、第1子、第2子に男または女の生まれる順番には、以下の4通りが考えられる。

  パターンA  男→男
  パターンB  男→女
  パターンC  女→男
  パターンD  女→女

 本来であれば、このパターンA~Dまではすべて均等に起こるはずである(それぞれの確率は4分の1ずつ)。しかし、ルール2があるせいで、パターンAとパターンBは起こらなくなってしまう。AまたはBのばあい、1人目に男児が生まれているので、その両親は2人目は生まないからだ。
 パターンAおよびパターンBになりえた両親は、実際には男の一人っ子を持つことになる。パターンCとパターンDは、ルールがない場合と同じ確率で起こる。
 となると、両親は…

  ●2分の1の確率で男の一人っ子を持ち(パターンA~B)、
  ●4分の1の確率で、第1子=女、第2子=男のきょうだいを持ち(パターンC)、
  ●4分の1の確率で女の子2人を持つ(パターンD)

ことになる。一見、このことによって、男女比がシフトするようにも思える。しかし冷静に考えてみると、そんなことは起こらない。
 この確率のもとでの、平均的な4組の夫婦を考えてみよう。2組は男の一人っ子を、1組は男と女の子供を1人ずつ、もう1組は女の子を2人持つ。この平均的な4組の夫婦の子供は、全部で6人。そのうち、男の子の数は3人である。つまり、男女比は1対1のまま。生まれてくる子供の男女比はコンドームと「男の子がほしい」という両親の意思だけでは変化しないのである。
 実際、確かめてみればわかるが、ルール1を「子供は最大3人まで」とした場合でも、男女比は1対1になる。ということは、中国で起きているほどまでに男女比がシフトするには、やっぱり何か別の理由が必要だ…。
 

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