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2007年6月

2007年6月17日 (日)

日本人のエネルギー消費率は5800ワットです。

 前に、人間のカラダはほぼ100ワットのエネルギー消費率だと、いうことについて書いた。では、そのほかのエネルギー全部をひっくるめて(自動車や工場やその他もろもろを含めて)、日本国人一人当たり、どのくらい消費しているのだろうか。調べてみた。
 今回も、一人アタマのワット数で計算することにする。
 国土交通省の統計によると、日本の年間エネルギー消費量は、石油(原油ということで、いいと思う)に換算した場合、524.6メガトンに相当するという。
(出典 http://www.mlit.go.jp/toukeijouhou/energy/h19_energy.pdf
 エネルギー消費量をどのように表現するかは難しい問題だが、最終的に石油でまかなった場合の相当量に換算して表示されることが多い。それも単位がバーレルだったり、トンだったり、リットルだったりとまちまちだし、だいたいたとえば1リットルの石油のエネルギーがどれくらいなのかわからないと、なんとも実感がつかめない。そこで、単位の換算が必要になってくる。
 同じく国土交通省の資料についている「換算表」によれば、

  原油1キロリットルは0.863トン
  原油1リットルは38.2メガジュール

ということなので、日本が年間に原油524.6メガトン分のエネルギーを消費するということは、

  原油524.6メガトン=原油608000メガリットル=232億テラジュール

これをさらに単位変換し、「キロワット時」に直すと、1キロワット時は3600ジュールなので、

  6兆4500万キロワット時

ということになる。あとは、これを[日本国民の数]×[365日]×[24時間]で割ればよい。
国民の数として、2006年3月の推計値、「1億2705.5万人」を使うと、

  国民一人当たりのエネルギー消費率は 5800ワット

ということになる。人間がカラダひとつで消費するエネルギーはほぼ100ワット。文明を維持したり、物を生産するために、われわれはその58倍のエネルギーを使っていることになる。
 5800ワットというエネルギー消費率が実感できない人のために申し上げると、たとえば家庭用のガスコンロについているハイカロリーバーナーが4200ワットくらいである。国民一人ずつがハイカロリーバーナーの火をずっと燃やし続け、さらにヘアドライヤーを2台くらいつけっぱなしにしているイメージでしょうか。
 でも、まあ、一人当たり5800ワットというのは、世界の先進国の中では、とくべつ多いほうではない。参考までに同じように各国の一人当たりエネルギー消費率を見ると(かなりざっくりな概算)

  アメリカ合衆国 10932ワット
  イギリス      5311ワット
  ドイツ        5514ワット
  フランス      6057ワット
  全世界平均    2465ワット(地球人口を60億として)

です。
 ちなみに、地球に降り注ぐ太陽エネルギーを最大限にうけて、地球人口60億人で分け合った場合、一人当たりの分け前は、約2918万ワット*。こう考えると、全太陽エネルギーの1万分の1に相当するくらいの量を、人間は使っていることになる。これを多いと考えるか、少ないと考えるか。

*次のように求めた。まず、太陽定数=「大気圏外で太陽に正対する面が受けるエネルギー」が1平方メートル当たり1.37キロワット(理科年表より)。地球の断面積を、地球の半径である6378.1キロメートルから求め、太陽定数にかけると、地球が受容できる理論上の太陽エネルギー総量が求められる。それを地球人口で割った。

2007年6月 5日 (火)

われわれは10年前と比べ、7歳しか年老いていない。

ついにSmapから20代が消え、全員が30代に突入した。一番若い香取慎吾が1977年1月生まれ。というわけで、2007年1月を持って、彼も30歳になった。10年前には、人気アイドルグループの全員が30代なんてことは、考えられなかったと思う。
 こんなことが、平然と受け入れられているのは世の中全体が歳をとっているからに違いない。
 たぶんいまどきの30歳は、ぜんぜん30歳になった気がしないのだろう。いや、30歳の人だけではない。あらゆる年齢の人が、きっとこう考えているはずだ。「俺はいま、○○歳。しかし、ぜんぜんそんな気がしない」。
 自分の経験で考えてみれば、よくわかる。たとえば、いま40歳だとしよう。10年前は30歳だった。その30歳のとき、40歳の人を見て「ああ、自分もあと10年すれば、あんなふうになるんだな」と良くも悪くも思い描いていた自分の中の「40歳モデルケース」に、いまの自分がまったく届いていないことに、愕然としている人は多いのではないか。よくも、悪くも。なぜなのか。それは「社会が歳をとっているから」ではないか。社会が高齢化していく過程では、個人は相対的に若くなるというふうに考えられはしないだろうか?

 そこで、人口統計表を調べ、平成8年(1996年)から平成18年(2006年)までの、日本人の平均年齢の推移を計算してみた。意外なことに、統計表は日本人の平均年齢を算出していないのだ。これはけっこう大事な指標のように思えるのに。
 仕方ないので、エクセルでしこしこ計算した。すごく面倒だった……。
 算出のもととなったのは、総務省統計局が出している各年の年齢別人口推計表である
http://www.stat.go.jp/data/jinsui/2.htm#02)。

  平成 8年(1996年)の平均年齢   40.2歳
  平成 9年(1997年)の平均年齢   40.5歳
  平成10年(1998年)の平均年齢   40.8歳
  平成11年(1999年)の平均年齢   41.2歳
  平成12年(2000年)の平均年齢   41.6歳
  平成13年(2001年)の平均年齢   42.0歳
  平成14年(2002年)の平均年齢   42.3歳
  平成15年(2003年)の平均年齢   42.6歳
  平成16年(2004年)の平均年齢   42.9歳
  平成17年(2005年)の平均年齢   43.5歳
  平成18年(2006年)の平均年齢   43.8歳  (*)

 グラフにするまでもないくらい、明らかに、日本人の平均年齢は平均して毎年0.3歳くらいずつ上昇している。こりゃ、高齢化するはずである。

 われわれは、当たり前の話、毎年1歳ずつ歳をとっていく。実年齢においては確かにそうである。しかし、社会的な年齢、相対的な年齢はそうではない。「平均年齢からの乖離」で年齢を測った場合(つまり、相対年齢=実年齢-平均年齢」を考えると)、われわれは毎年ほぼ0.7歳しか歳をとっていないことになるのだ。
 つまり、ざっくりと考えると、われわれは、10年前と比べて7歳しか年老いていない。10年前、30歳だった男は、10年前の37歳と同じくらいしか、社会的な地位は老いていない。Smapの香取慎吾も、1997年の基準で言えば、まだ27歳くらいにしか、老いていないのである。
 このように、社会の高齢化が進行段階にあるとき、われわれは社会的にはゆっくりと老いることになる。ということは、年功序列の名残のある会社においては、出世の速度も3割引、給料が上がるのも3割引なのかもしれない。これが、景気がよくなっても給料が上がらず、デフレがとまらないことの、ひとつの原因なのかもしれない。
 いつまでも「若い人間」として扱われることは、うれしいことでもあるがつらいことでもある。実年齢は確実に毎年1歳ずつ老いている。生活の質や医療の向上が続く限りは、健康が維持されて若さを保ちつづけ、社会的年齢が一向に老いていかないことにも耐えられる。しかし、生活の質も医療の質も、高齢化していく社会のもとではより低水準なものになっていく可能性もある。われわれは、この相対年齢と実年齢の差を作る速度、「マイナス0.3歳/年」を、自分の人生や社会の未来予測に織り込んでいくべきなのだろう。

(*)ここで言っている「平均年齢」とは厳密に言うと「年齢中位数」のこと。ふつうの算術平均による平均年齢は、統計局の年齢別人口推計表からは計算できない。90歳以上の人口が各年齢ごとではなく「90歳以上」の人口としてまとめて扱われているのが最大の理由だ。そこで代わりに、年齢中位数を使い、指標にした。これは、たとえば1億2000万人の人口がいたとしたら、年寄りのほうから数えて6000万番目の人の年齢のことである。つまり、真ん中の順位の人の年齢を示している。じっさいのところ、平均年齢と年齢中位数はほとんど同じになるので、人口統計を扱う際には、「平均年齢」と称して年齢中位数が使われるのはよくあることのようです。

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