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2007年8月26日 (日)

ガスと電気、徹底比較(1)

 数年前に電力自由化がはじまって以来、ガスと電気は明確に互いをライバルとして認識し、足を引っ張り合うようになった。東京電力の一社提供のテレビ番組などでは、画面中にガスコンロが映り込むとモザイクがかかる。ことほど左様に、両者は火花を散らしあっているのである。
 さて、今回は両者の価格について、検証することにする。電力が自由化されて、ガス会社が発電事業に参入した。すると今度は電力会社が「エコキュート」や電磁調理器を使った住宅のオール電化の普及活動をはじめた。次には対抗してガス会社が、ガスを使った自家発電ユニットを一般住宅向けに売り出した。両者とも、こっちのほうが安い、環境にやさしいと、主張しあい、相手側の欠点をあげつらっている。まあ、環境にやさしいかどうかは今回はさておき、本当のところ、両者の価格の優劣はどうなのか、というあたりを詰めていくことにする。

 価格比較する前に、まずは両者のエネルギーの単位を同じものにしなければならない。エネルギーを扱う場合、常に問題になるのが単位である。石油やガス、電気などは、エネルギー量や体積、重量など様々な単位で扱われ、直接的に比較できない。きっと、これは単純にガスが得か電気が得かといったことを比較しづらくするために、わざと単位を統一していないのだろう。そう思わずにはいられないくらい、非常に不親切である。
 今回、ここではそれぞれのエネルギーを、「kWh」=キロワット時に統一して表記することにする。キロワット時はほかの単位で表すと以下のようになる。

   1kWh=3.6メガジュール=860キロカロリー

 すなわち、成人男子が一日に食事で摂取するエネルギーはほぼ2.5kWhということになる。
 そんなことはさておき、まずは電気の料金をkWh単位で以下に示す。

   東京電力の2007年7月現在の一般家庭向け電気料金
    (基本料金などは無視、従量部分のみ。燃料代の上下による微調整も無視)
   一か月の使用量が120kWhまで  16.05円/kWh
          120~300kWhまで  21.04円/kWh
              300kWh以上  22.30円/kWh

 ガスの場合は、換算が必要になる。ガスには等級というか、規格があり、その規格に基づいて、体積当たりのエネルギー量が決められている。東京ガスが東京地区に供給するガスは「13A」という規格のもので、これは1気圧で摂氏0度のときの状態で1立方メートルあたり45メガジュールの熱量(エネルギー量)と決められている。45メガジュールは12.5kWhに相当する。これを使って換算した、東京ガスの東京地区での料金を以下に示す。

   東京ガスの2007年7月の料金
    (基本料金無視、従量部分のみ。使用量による基本料金のスライドも無視)
    一か月の使用量が0~20立方メートル  138.64円/立方メートル(=11.9円/kWh)
              21~81立方メートル  121.09円/立方メートル(=9.69円/kWh)
              82~204立方メートル  117.66円/立方メートル(=9.41円/kWh)

 これで、両者の単位を揃えることができた。まあ、だいたい4人くらいの家族での標準的なモデルを考えて、この後は

電気は21.04円/kWh
ガスは9.69円/kWh

ということにして話をすすめよう。

 さて、ガスと電気はまったく違うものなので、単位を揃えただけでは、直接の比較はできない。両者を比較する上で特に問題になるのは、給湯や調理のコスト比較、さらにはガスによる自家発電のコストの検証だろう。このあたりの効率について、単位を揃えた形で経済性を考えてみたい。が、それは次回にします。
 
 

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