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カテゴリー「順番・順位」の記事

2007年6月 5日 (火)

われわれは10年前と比べ、7歳しか年老いていない。

ついにSmapから20代が消え、全員が30代に突入した。一番若い香取慎吾が1977年1月生まれ。というわけで、2007年1月を持って、彼も30歳になった。10年前には、人気アイドルグループの全員が30代なんてことは、考えられなかったと思う。
 こんなことが、平然と受け入れられているのは世の中全体が歳をとっているからに違いない。
 たぶんいまどきの30歳は、ぜんぜん30歳になった気がしないのだろう。いや、30歳の人だけではない。あらゆる年齢の人が、きっとこう考えているはずだ。「俺はいま、○○歳。しかし、ぜんぜんそんな気がしない」。
 自分の経験で考えてみれば、よくわかる。たとえば、いま40歳だとしよう。10年前は30歳だった。その30歳のとき、40歳の人を見て「ああ、自分もあと10年すれば、あんなふうになるんだな」と良くも悪くも思い描いていた自分の中の「40歳モデルケース」に、いまの自分がまったく届いていないことに、愕然としている人は多いのではないか。よくも、悪くも。なぜなのか。それは「社会が歳をとっているから」ではないか。社会が高齢化していく過程では、個人は相対的に若くなるというふうに考えられはしないだろうか?

 そこで、人口統計表を調べ、平成8年(1996年)から平成18年(2006年)までの、日本人の平均年齢の推移を計算してみた。意外なことに、統計表は日本人の平均年齢を算出していないのだ。これはけっこう大事な指標のように思えるのに。
 仕方ないので、エクセルでしこしこ計算した。すごく面倒だった……。
 算出のもととなったのは、総務省統計局が出している各年の年齢別人口推計表である
http://www.stat.go.jp/data/jinsui/2.htm#02)。

  平成 8年(1996年)の平均年齢   40.2歳
  平成 9年(1997年)の平均年齢   40.5歳
  平成10年(1998年)の平均年齢   40.8歳
  平成11年(1999年)の平均年齢   41.2歳
  平成12年(2000年)の平均年齢   41.6歳
  平成13年(2001年)の平均年齢   42.0歳
  平成14年(2002年)の平均年齢   42.3歳
  平成15年(2003年)の平均年齢   42.6歳
  平成16年(2004年)の平均年齢   42.9歳
  平成17年(2005年)の平均年齢   43.5歳
  平成18年(2006年)の平均年齢   43.8歳  (*)

 グラフにするまでもないくらい、明らかに、日本人の平均年齢は平均して毎年0.3歳くらいずつ上昇している。こりゃ、高齢化するはずである。

 われわれは、当たり前の話、毎年1歳ずつ歳をとっていく。実年齢においては確かにそうである。しかし、社会的な年齢、相対的な年齢はそうではない。「平均年齢からの乖離」で年齢を測った場合(つまり、相対年齢=実年齢-平均年齢」を考えると)、われわれは毎年ほぼ0.7歳しか歳をとっていないことになるのだ。
 つまり、ざっくりと考えると、われわれは、10年前と比べて7歳しか年老いていない。10年前、30歳だった男は、10年前の37歳と同じくらいしか、社会的な地位は老いていない。Smapの香取慎吾も、1997年の基準で言えば、まだ27歳くらいにしか、老いていないのである。
 このように、社会の高齢化が進行段階にあるとき、われわれは社会的にはゆっくりと老いることになる。ということは、年功序列の名残のある会社においては、出世の速度も3割引、給料が上がるのも3割引なのかもしれない。これが、景気がよくなっても給料が上がらず、デフレがとまらないことの、ひとつの原因なのかもしれない。
 いつまでも「若い人間」として扱われることは、うれしいことでもあるがつらいことでもある。実年齢は確実に毎年1歳ずつ老いている。生活の質や医療の向上が続く限りは、健康が維持されて若さを保ちつづけ、社会的年齢が一向に老いていかないことにも耐えられる。しかし、生活の質も医療の質も、高齢化していく社会のもとではより低水準なものになっていく可能性もある。われわれは、この相対年齢と実年齢の差を作る速度、「マイナス0.3歳/年」を、自分の人生や社会の未来予測に織り込んでいくべきなのだろう。

(*)ここで言っている「平均年齢」とは厳密に言うと「年齢中位数」のこと。ふつうの算術平均による平均年齢は、統計局の年齢別人口推計表からは計算できない。90歳以上の人口が各年齢ごとではなく「90歳以上」の人口としてまとめて扱われているのが最大の理由だ。そこで代わりに、年齢中位数を使い、指標にした。これは、たとえば1億2000万人の人口がいたとしたら、年寄りのほうから数えて6000万番目の人の年齢のことである。つまり、真ん中の順位の人の年齢を示している。じっさいのところ、平均年齢と年齢中位数はほとんど同じになるので、人口統計を扱う際には、「平均年齢」と称して年齢中位数が使われるのはよくあることのようです。

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